最後の禁酒

素数飲み(プライム・アルコール・メソッド)で禁酒(節酒)にチャレンジ、これでもダメなら断酒しかない

禁酒して278日。どうやって節酒したらいいのか

禁酒(節酒)して278日。飲んだ日は58日(.2086)。

今年の初めから節酒を開始して、これまでは5日に1回を上回るぐらいのペースで節酒ができている。まぁお酒をあまり飲まない人にとっては大したことのないペースかもしれないが、ほっとおくと週に7回飲んでしまう私としては驚異的な節酒ペースなのである。これまでも何度となく禁酒、節酒の類は試みた。しかし失敗し続けてきた。15年もの間、失敗し続けてきた。だた今回は比較的うまくいっている。なぜ今回はうまくいっているのだろう。その理由について考えてみたい。お酒を控えたいという方の参考になればと思う。

まず、節酒するにあたって、どのような基準で節酒を試みるのか、その基準はいくつかある。

  • 機会
  • 場所
  • 日、時間
  • 回数

順にみてみよう。

機会

さほどの酒飲みでないひとは、飲むに値する機会のときしか飲んでいない。いわゆる機会飲酒である。例えば、お正月、誕生日、クリスマス、結婚式、忘年会、歓送迎会などの時に飲む。こういったときにしか飲まないと決めてその通り守れるのであればそれが一番いい。しかし、酒飲み、アルコール依存症予備軍(過去の私も含む)は、そのような飲酒ができない。なので節酒をしようとするとき、機会で制限するのはまずうまくいかない。意を決して節酒を始めて確かに最初のころは特別な機会しか飲酒しないのだが、数週間もしてくると、少しおめでたいことがあればすぐに飲酒してしまう。飲むに値する機会がどんどん増えていってしまうのだ。私にも経験がある。節酒が続いていた休日の朝、テレビでメジャーリーグを見ていたら、イチローがヒットを放った。あぁ、嬉しい、めでたい、ということでその昼にビールを飲んでしまったのである。これはもう、機会飲酒の範疇を大幅に超えていて、ただのビール依存症である。そういったわけで「これこれこうゆう機会にしか飲まない」といったような条件で節酒を続けることは至難の技だといえるだろう。このやり方で節酒できるのであれば、そもそもアルコール依存症予備軍はなっていないだろう。

場所

場所はどうか。例えば「自宅では飲まない」という節酒方法である。この方法の優れている点は、前述の機会で飲むやり方と違って、条件がある程度はっきりしている点である。そしてこれが守られれば、休肝日を2~3日連続して取ることもできると思われるので、健康という面からみても理想的である。ただ、私も「自宅では飲まない」という条件で節酒を試みたことがあるが、これがまた難しいのである。なぜなら、自宅で手持無沙汰なときが一番飲みたくなるときだからである。やることがなくて天気のいい休日などは本当にツライ。そして昼ビールが始まってしまうのだ。また「自宅では飲まない」というルールを守るべく、わざわざ飲むために出かけていったこともある。そんなわけで場所を条件に飲まない、というのもなかなか難しい。

上述の機会と場所とも関連するのだが「一人のときは飲まない」というルールもある。ただこれも難しい。一人で手持無沙汰なときが一番飲みたくなるときだからである。

日、時間

日や時間によって飲んでいい日を決める方法である。よくあるのは「土曜と日曜だけ飲んでOK(平日は禁酒)」というもの。しかし、わたしはこのやり方ではうまくいかない。うまくいきそうでうまくいかない。

平日禁酒というのにチャレンジしたことがあった。月~金はアルコールは飲まずに、土日だけ飲むというやつである。最初の週は我慢に我慢を重ねて平日は飲まなかった。そして訪れた土曜日、ビールを浴びるほど飲んだ(日曜日も)。

翌週、そしてまた我慢に我慢を重ねて平日は飲まずに過ごした、かに思えた。ところが金曜日の夜遅く、「あれ、金曜日も24時過ぎれば土曜日じゃないか」と気づいたのである。24時を過ぎたころ、脳内に現れた酒の悪魔が「土曜日なんだからお酒飲んでいいんだぞ」とささやく。そんなことをささやかれたが最後、缶ビールを3本ほどだったろうか開けてしまったのだった。酒の悪魔にささやかれたとはいえ、どんだけ意志が弱いのだろう。

そしてまた翌週の平日がやってくる。我慢に我慢をなんとか重ねて飲まなかった、かに思えた。ところが金曜日の夕方、「金曜日も24時過ぎれば土曜日だから24時過ぎれば飲んでいいのだけど、24時過ぎてから飲むなんて体に良くないのでは」と思い始めた。酒飲みによくある、何か理由をつけてただ飲みたい病である。そして日が沈むマジックアワーのころ、脳内に酒の悪魔が現れた。さらに脳内には酒の悪魔だけでなく健康の天使が現れた。主人公の頭の中に天使と悪魔が出てきて、葛藤(天使と悪魔の戦い)する絵は漫画などでよく見かける。ところがである。酒の悪魔は「人生何を楽しみにして生きているんだ、金曜の夜なんだぞ、思い切り飲んじゃえ」とささやき、健康の天使は「確かに金曜の24時過ぎれば土曜だけど、同じ飲むなら24時過ぎの深夜に飲むのではなくて、夜ごはんと一緒に飲んだほうが健康に良いであるよ」とささやく。つまり、酒の悪魔も「飲め」、健康の天使も「飲め」という主張なので葛藤の生じようがないのだ。悪魔と天使の両方から「飲め」といわれた意志の強くない主人公(私)は、こうして金曜にも飲んでしまったのだった。さあこうなるともう平日禁酒は崩れ去る。週明けの月曜日から、我慢できなくなり、ビールを浴びるように飲むことになってしまうのだった。

回数

飲む回数はどうだろうか。週に1回もしくは2回、あるいは月に5回などと決めて飲むやり方である。回数は基準が分かりやすくていい。このやり方の弱点は、例えば週に2回などと決めても、新しい週に入った瞬間に2回飲んでしまうのである。月に5回と決めてもまぁ上旬にすべての回数を飲んでしまう。ショートケーキのイチゴを最初に食べてしまうパターンである。ある期間に飲んでいい回数を決めても、その期間の最初のうちに飲める日を使い果たしてしまうのである。では、期間ではなくて、飲める日を決めたらどうか? 飲める日はどうやって決めるか。そして考えついたのが、プライム・アルコール・メソッド、つまり、素数の出現頻度を超えては飲まない節酒方法なのだった。

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